おはようございます。奈良市在住のゴー宣ジャーナリスト だふね です。
今日は「SPA!」の発売日。『日本人論』の連載が、最終回を迎えます。
世界でも珍しい日本の「大らかな性文化」の実態を、よしりん先生がッ…。きゃー♡(コンビニまで買いに行かなきゃ~、わくわく♡ その前に、家族の弁当つくらなアカンけど。)
『日本人論』の単行本ですが、描き下ろしの「最終章」はペン入れ終了との由。発売はいつかしら? 続報を待ちましょう♪
『日本人論』では、古来日本人は「性」に対するタブー意識が薄く、それが日本における芸能文化ともつながっている、と描かれています。『古事記』には、アメノウズメノミコトが八百万の神々の前で裸で舞い踊る記述があることも。(おそらく「ヘア解禁」なんていう特別意識もなかろうて。)
ところで、「日本神話はギリシア神話と共通するところがある」という感想も、私は抱いている。登場する神様がえらく人間臭くて猥褻で、時には品位にもとることをやらかしたり、超自然的な方法(神様だからね)で子を成したり。いずれの物語も、根底に流れるのは「性に対する寛容さ」だと思う。日本とギリシア、2つの神話の類似が直感的にわかるから、日本人にとってもギリシア神話は、教養というより娯楽として楽しめる要素が大きいのかもしれない。(阿刀田高氏の『ギリシア神話を知っていますか』は軽妙洒脱な文体で読みやすく、程良いエロさ加減で、入門書としてオススメ。)
さて、自分の国では「当たり前、常識」であることが、別の国では「非常識」だったという事実には、思いがけない形で気づくものだ。
『日本人論』の第3章「ザビエルとBBC」でも、大いに笑わせてもらった。ここではイギリス人記者のモビーン・アザー氏が「ジャニー喜多川が少年たちに性的虐待をしていた件」について、「どうしたら正義を実現できるか」と意気込み、元ジャニーズJr.から虐待の証言を取ろうとする。が、このやりとりの噛み合わなさが、実におかしい。
BBCドキュメンタリー「J-POPの捕食者:秘められたスキャンダル」【日本語字幕つき】
https://www.youtube.com/watch?v=zaTV5D3kvqE
元Jr.はそれぞれ「そこまでやられてない」「大きな問題じゃない」と取り合わず、むしろ口々にジャニー氏への尊敬と感謝の念を述べている。
「自分の母が『子どもをジャニーズに入れるのが夢』と言っていた」
「あまり裕福でなかったから、(お金)こんなにもらえるんや、と嬉しかった」
「夢のような時間を過ごした」
という言葉だけを聴けば、「男の子なら、そういう立身出世があってもいいよね」と、私は素直に納得してしまう。
閑話。上記の証言をしたRという元Jr.は、淡々とインタビューを受けた数ヶ月後に、ある人気グループのメンバーの「性加害」を突然YouTubeで「暴露」している。(内容をここで記すのはおぞましいので控えるが、証拠もなく信憑性に欠け、バカバカしい類のもの。)
その約1ヶ月前には、カウアン・オカモトがガーシーとの対談動画で「真偽不明な性被害について告白」していたが、Rはカウアンと交流が続いている人物であり、つまり同じ穴の狢であったことは明白。RはJr.時代、未成年飲酒で謹慎をくらったこともある。偏見を承知で言えば、ジャニーズから脱落したカウアンもRも、成功した者への嫉妬が暴走したのだろう。
人間とは、何かのきっかけ一つで、きつく閉めていた感情の蓋すら容易に外れてしまう、かくも弱い生き物なのだと感じる。己の醜悪さに気づかない。正義が損なわれることよりも、そちらのほうがよほど社会にとって見苦しいし、害悪ではないのか。
閑話休題。ジャニ―氏の性癖については、昔から大多数の人が耳にしていたはずだが、それでも事務所に応募してくる子たちが引きも切らなかったのは何故か。年端も行かない我が子をジャニー氏に差し出した親の責任はどうなるのか。
彼らは、仮にジャニー氏から迫られたとしても、時間が経てば受け入れることに慣れたり、適度にあしらう術を身につけたりするのではないか。例え、大人未満の子どもであったとしても、「その時々の許容範囲を越えなければオッケー」だったのではと、私は推測している。悪く言えば「スレている」のだが、人はどのような道を選ぶにせよ、無垢のままで進むことはできない。
それよりも、厳しい世界において夢を掴もうとする途上で、ジャニー氏に「凄い愛をもって接してもらえた」ことのほうが、少年たちには重要であり、頼もしさを感じていたのではないだろうか。
BBC動画では、ジャニー氏の行状を見過ごせないアザー氏に対し「そんなに表立って追及するべき内容ではない」と、やんわりとはねつけた男性がいた。私も同意見だが、ここで「芸能と性」について考えたい。
人権を絶対視する「人権真理教」の者たちにとって、芸能とは、性的な匂いが一切あってはならないのか。匂いの元があるなら、過去にまで遡って徹底的に絶たなければ気が済まないのか。しかも、よその国に対しても。
日本では、明治以降から昭和の戦後まで、花街(芸妓、娼妓の世界)が隆盛を極めていた。大都市では一流の名妓たちが艶を競い合い、その中から女優や歌手、ダンサーが数多く生まれたという。
人気の芸妓はグラビアの表紙を飾り、ブロマイドも飛ぶように売れたというから、今のアイドルと変わらない。借金で縛られた身の上であり、風紀を乱す存在として忌まれる一方で、美しい容貌、声の持ち主は芸能の世界で引く手あまただった。
華やかな芸妓に、男性遍歴を含めた過去や、旦那からどれだけの見返りを得たかを詮索するなど、無用かつ野暮である。「芸能」と「性」は繋がりが深い。そこは大衆も「何となく」わかった上で、楽しんでいたはずだ。
同様に、旧ジャニーズに所属していたタレントに、(「偏見を持つな」とは言わないが)「性被害」の告白を強要するなど絶対に許されないし、それこそ「誰も幸せにしない」ことだろう。
いつ、どのような状況においても、犯罪紛いなことでもない限り、成功者がのし上がった背景の、何から何まで暴くなど、愚の骨頂としか言いようがない。
自分の肉体を取引に使うやり方を私は肯定しないが、あらゆる手段を駆使してもトップの座を獲ることは、どのような世界においても困難であり、誰もがなし得るわけではない。それがなし得る人材は、国にとって非常に貴重ではないか?
守るべき価値のある才能ならば、多少の変態性には目を瞑る。法的な犯罪者でもない限り。文化を含めた「国柄」を守るには、国民がそのぐらい成熟した意識を持たなければならないだろう。
何だか、マジメにまとめた気がしますが、②に続く。次回は、もう少しユルイ、はず…?
【だふね プロフィール】
昭和48年大阪生まれ。奈良市在住。主婦にして一男二女の母。ケアマネージャー。性格は‟慎重な行動派”‟陽気なペシミスト”(友人評)。趣味は映画鑑賞。特技は、すぐ涙を流せること。令和2年「関西ゴー宣道場設営隊(現・DOJOサポーター関西支部)」隊長就任。以後、現場を持ちながら公論イベントの盛り上げにも尽力。公私ともに濃密な日々を過ごしている。
【トッキーコメント】
日本人が、日本人とは何かを全く知らない。
だから、欧米人との価値観の相違に出くわすと、無条件に自分の方が間違っていると思ってしまう。
それが、ジャニーズ問題が炙り出した現代日本人の致命的弱点です。
このままいくと、いずれ日本人が日本人ではないものになってしまう!
この危機に緊急対応すべく制作された『日本人論』。
ぜひご期待ください!!